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うちの子も可愛がってよ!!

これは私が幼稚園に勤務していた時
実際にあったお話です。

お母さんたちの会話の中で、よく耳にするこんなセリフ。

「昼間買い物のついでに幼稚園をのぞいてきたらね、
 うちのクラスの子たちが外であそんでたんだけど
 あの先生ったら、またOOちゃんを抱っこしてたわよ。
 いつもそうじゃない?」

「え~また?このあいだのお迎えの時も
 OOちゃんを抱っこしてたわよ。
 これって ひいきよねえ。もっと公平にみてほしいわ!!」

わかります、わかります、その主張。
でもね、すこしだけお耳を貸してくださいな。
子供たちは、どの子も同じではないんです。

まずは、保育所、託児施設の場合をお話します。
乳児クラスの場合、
純粋に「歩けるかどうか」にかかっています。
お散歩の時など、歩ける子、歩きたい子は、歩きますし
まだうまく歩けない子、歩けるけど今日は体調がイマイチの子
眠くなってしまった子などを
抱っこしたり、ベビーカーに乗せたりします。
これはひいきでもなんでもないとすぐにわかりますよね。

もっとも、幼児クラスや、幼稚園ともなると、
話は少し違ってきますね。
たいてい、どの子も歩けるわけですから。

子供一人ひとりと、担任との間の「距離」は
それぞれみんな違います。
出会ったその日から目を合わせ、手をつなぎ
抱きついてくる子もいれば
私が話しかけただけで緊張してうつむいてしまう子もいました。
その子の社交性(ひとなつっこさ?)とか、
私との相性とか、要因はいろいろあると思います。
でも「園の中で安心して楽しく過ごしてもらいたい」
というのが保育者の第一の願いですから
子供たちと仲良くなりたくて、少しずつ交流を深め、
信頼関係を築いてく努力は惜しみません。
でも、それにはそれぞれの段階というものがあるのです。

 4歳のあかりちゃんは、とてもひとなつっこく、
 入園式の翌日から「先生、先生」とべったり。
 床に落としたものを拾おうと私がしゃがんだ瞬間、
 背中にしがみつき、そのままおぶってほしいとせがみます。
 自由遊びの時間も、お迎えの時間も、
 私がトイレに行くときすらついてきて、手をつなぎたがります。
 
・・・このような状況を、その子のお母様にお話すると、
だいたい答えは二つに分かれます。
「え~そうなんですか?私(母親)には甘えたことないのに!」
「ええ、そうなんですよ、うちでも私にべったりです」
 
前者は、なんらかの理由で母親にあまえられず、
代わりに担任に甘えているパターン
後者は、スキンシップ自体に抵抗がなく、
それによって安定を得ているパターン
というふうに私は理解していましたが、
どちらにしろ、他のお母様方からみれば、
いつも同じ子が担任のそばにいるのはおもしろくないわけで。

でも少し別の角度から考えてみると
そんな子は、遊びや人間関係が広がりにくいことが心配です。
その子が先生のあとをついて歩いている間に、
他の子は新しい友達をつくったり、工夫しながら遊んだり
何かに挑戦したり、喧嘩して泣いたり
自分の世界を広げ、成長しているわけですから。
そんなふうに担任にべたべたしているだけの子は
ひょっとしたら、園の中に自分の居場所を
確立できないでいるのかもしれません。
担任としては、ただ「私のそばに寄ってくるからかわいい」
だけではすまされないのです。

 5歳のはやと君はクラス替え当初から、とても緊張した様子でした。
 表情は硬く、口数も少なく、私が話しかけても、
 目を合わせることすら拒みます。
 担任は、朝、登園してくる子どもたちをひとりひとり抱きしめて
 「おはよう。待っていたわよ」
 というような園だったのですが、
 はやと君は私に触れられることを嫌がりました。
 それでも少しずつ少しずつ心をひらいてくれて、
 最初は固かった握手の手が、
 卒園するころには、やわらかく自然になっていました。
 警戒心が強く、人との関係作りに時間がかかるのか
 スキンシップに慣れていなかったのか・・
 もしかしたら私のことが好みでなかったのかもしれませんが・・・。
 もしそうだとしても、「だからかわいくない」とは思いませんでしたし
 日を追うごとに増えていく彼の笑顔を見るのは楽しみでもありました。

そんなこんなで、ひとりひとりとの「触れ合い度数」は違っても
担任の心のかけ方はみんなどの子にも平等なのです。
私に抱きついてくる子は無理に突き放したりせず、
受け入れながら少しづつ友達の輪が広がるように
配慮すればよいのですし
私と距離をおきたがっている子には、
時間をかけて仲良くなれるように配慮していました。
「平等にしなくちゃ!」という理由で
そんな子を無理やり抱きしめても、
その子にとってマイナスなだけだと思いませんか。

けれども、お母様にしてみれば、
「違うわよ。うちの子は本当は先生に抱っこしてもらいたいのよ!
 恥ずかしがって言えないだけなのよ」
ということも考えられますよね。
そういう場合も配慮して、私はよく、降園時に保育室のドアに立ち、
ドアを出てゆく子供たちひとりひとりと
(強制的に)かかわるようにしていました。
日替わりで、握手だったり、じゃんけんだったり、ないしょばなしだったり。
もちろん、抱っこやおんぶの日もありました。
自分から積極的に抱っこをせがめない子も、これならOKかなあ・・・と。
幼児教育学科で恩師から学んだ一言が忘れられないからです。

「もしも一人を抱っこしたら、
 そのあとクラス全員を抱っこする覚悟を持つこと。
 時間の関係などでそれができなければ、
 一人だけを抱っこしてはいけません」

たいていの常識ある先生は、そんなふうに考えながら、
できるだけ平等になるようにと心がけていることと思います。

「それでもやっぱり不公平!
うちの子だって抱っこしてよ~!」と
お母様が希望なさる時は、担任に直談判もひとつの手です。

「うちの子、先生のこと大好きなんです~。
手をつないだり、抱っこして欲しいけど
自分から言えないみたいなんですよ・・」と。

以上、スキンシップという観点からお話してみました。



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あさくらゆかり

プロフィール

あさくらゆかり

Author:あさくらゆかり
幼稚園教諭・保育士
小学校特別支援員を経て
2007年より心理カウンセラーとして活動。
(株)kikiwellが運営する 
キキウェルメンタルヘルスサービスに所属。
電話カウンセリング8,000件
メールカウンセリング3,000件の実績。
マスコミ出演多数。
もっと詳しいプロフィールはこちら
http://kikiwell.com/staff/a_01.html
(キキウェルメンタルヘルスサービスのHPにジャンプします)

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